ホワイト⇒ブラウンスピリッツへ。〜熟成〜

 第三回となりましたお勉強シリーズ、年末も頑張りますよ!
 さて、前回までは蒸留酒の製造について、発酵・蒸留のステップ。蒸留したての無色透明のお酒、保管を経てそのまま瓶詰される「ホワイトスピリッツ」の誕生までを振り返っていきました。今回はもう一つ次の段階「熟成」についてみていきましょう。お酒のジャンル毎に様々な方法があるため、ここからは私のメイン担当であるウイスキーにフォーカスしつつご紹介していきます!
 

 

目次

1.時代が変えたウイスキーの「色」
 1.1ウシュク・ベーハー
 1.2お酒を隠せ!
 1.3ウイスキー爆誕!
2.樽の中で起きていたこと
 2.1熟成
 2.2天使の分け前
 2.3環境の影響




1.時代が変えたウイスキーの「色」
 現在一般的なウイスキーについては「穀物原料」を「蒸留」して木樽で「熟成」した物という定義が広く浸透しております。ところがこの定義が一般的になったのはそこそこの近年。それまではウイスキーという名前でこそありませんでしたが、無色透明の「ホワイトリカー」状態で飲まれていたのです。
 
1.1ウシュク・ベーハー

 ウイスキーの語源はケルト語の一種、ゲール語の「ウシュク・ベーハー」すなわち「生命の水」。その時代、医療者であり宗教指導者・思想家にして知識人の性質を兼ねていた錬金術師たちが蒸留によって産み出した液体は、ある種の信仰的な魅力を以てして現在のイギリスに広まっていきました。前回ちらっと触れた、1171年イングランド王ヘンリー2世の軍隊が出会ったお酒がこちらでしょう。
 このウシュク・ベーハー。我々のほぼ100%が想像するであろう琥珀の液体とは似ても似つかぬ無色透明。今のとは程遠いドライな味わいであったといいます。
 
1.2お酒を隠せ!

 そんなこんなで広まった「ウシュク・ベーハー」ことウイスキー。荒々しくもお手軽にトべるハイプルーフなこのお酒に、大ブリテン島の当時の酔っ払いどもは歓喜したことでしょう。商業として蒸留を行う業者も現れ始め極々一般的な物となりました。
 ところが1707年の事、イングランドとスコットランドがイングランド優位に合併した影響で、スコットランドの酒税が不当に釣り上げられていきます。さりとてやむなく廃業・撤退…とならないのがスコットランド人。山深く国境から離れた北側、今でいうハイランド地方へと逃れた彼らは政府に隠れて密造を開始。煙が見えない夜ごとに製造しては、手近なシェリー酒の空き樽に入れて隠匿し始めるのでした。
 
1.3ウイスキー爆誕!

 隠匿された蒸留液。折角作った以上売りたいし飲みたいのが人の心というものですが、徴税官吏の目が光る中ホイホイ運んだりするわけにもいかず、多くの蒸留液が樽の中で長い間飲まれるその時を待つことになります。そして、ある日一人の男が気付くのです。(女かもしれませんが…)「ん?ちょっと減ってる…しかもなんか茶色い…でも美味くなってる…?」
 我々の知る「ウイスキー」が誕生した瞬間です。偶然って凄いですねえ… とにもかくにも人類はついに、あの芳醇で甘美な琥珀色の液体を手にしたのです。この製法はスコットランドからイングランド、さらにはアイルランド・世界中へと広まっていくのでした。
 
2.樽の中で起きていたこと
 さて、随分端折りましたが、人類はめでたくウイスキーを手に入れたのでした。しかし重要なのはこの樽の中でどんな偶然が起きていたのかという事。熟成のプロセスについて掘り下げてみましょう。

2.1 熟成

 蒸留直後のウイスキーには未熟臭・嫌な香り、オフフレーバーが残っており、これが飲みにくさ・荒々しさに繋がっているのです。長期間の貯蔵の間に樽を通して呼吸、ゆっくりと酸化熟成を経ることで、オフフレーバーはいつしか軽減。アルコールと水の分子の会合が進みクラスターを形成することで味わいの丸みや旨みが増していきます。
 また、保存が長期間になると中の液体は周囲の樽材から様々な成分を取り込み始めます。木材に含まれるタンニンや色素や、それ以前に入っていたお酒(当時はシェリー酒)の成分が溶け込んだ液体は年を経るごとに甘味や複雑味を増していき、樽から流れ出る頃にはあのえもいわれぬ美しい琥珀色の液体となるのです。この一連のサイクルを一般的に熟成と呼んでいます。
 
2.2天使の分け前

 さて、熟成によって得るものもあればなくなっていくものもございます。
 内容物をこぼさないだけの密閉性がありながら酸素を取り込む通気性がある樽。液体は通さないが気体は通す性質によって、熟成の期間樽の中のお酒に含まれる水分やアルコール分は蒸気となって少しずつ樽から蒸発していくのです。
 熟成の開始から終了の間で減少してしまったこの目減り分を「天使の取り分・天使の分け前」と呼んでいます。手癖の悪い天使もいたものですね。これはウイスキーに限らず樽貯蔵を行う他のお酒、ワインや一部の焼酎でも起こる現象です。天使、見境がありません。
 
2.3環境の影響

 スコットランドでの密造から偶然にも生まれた琥珀色のウイスキー。世界中の酔っぱらい達がこんな美味しい液体を見逃すはずがありません。時を経るごとにこの樽熟成ウイスキーは全世界に広まることとなりました。
 熟成による影響はその環境毎の湿度、温度、気候風土によって様々です。全世界に広まったウイスキーはそれぞれの土地での熟成を経て、その風土を如実に反映した味わいに代わっていき、様々な味わいで我々を楽しませてくれます。
 顕著な例を挙げると近年注目を集めている熱帯・亜熱帯地域のウイスキー。これらは短い期間の貯蔵でも信じられない程の熟成感を持つものが数多く存在しています。
 また、沿岸部の熟成庫では周辺環境の影響か、貯蔵しているウイスキーに潮風のニュアンスが付加されると言います。四方を海に囲まれた聖地アイラ島のウイスキーや、アイランズモルトに属するウイスキーなどを飲むにつけ、皆様にも実感していただけるでしょう。
 今度飲むウイスキー、いったいどんな環境で熟成したのか調べてみると面白いかもしれませんね。
 
 以上、大まかですがウイスキーにフォーカスして、樽による熟成が行われるきっかけと、その樽の中で何が起こっているのかを振り返ってまいりました。
 荒々しいお酒が時間を経て美しく美味しいウイスキーになるプロセス。熟成は偉大ですね。

 次回は熟成の主役とも言える「樽」、その種類や様々な特徴についてフォーカスしていきます!

 さて、今年もVinetBonheurのブログ、須藤と小岩にお付き合いいただきありがとうございました。VinetBonheurも12/31日よりウイスキーを見習い熟成期間…もといお休みをいただきます。 
 年末年始に楽しむお酒はもうお決まりでしょうか。来年は何を飲もうかな?と思い立った時にVinetBonheurのサイトに遊びに来ていただくと嬉しいです!

 それでは皆様、どうか良い年末年始をお過ごしください。

(本文・須藤元)

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