宮城県仙台市 ワイン ウイスキー ショップ 通販 ヴァンエボヌール(Vin et Bonheur)
突然ですが、名前を付けるって大変な作業ですよね。
自分の子供の名前を考える…なんてことにいざなったら私なんか1ヵ月はザラにかかりそうです。つい最近も我らが新店BaPhare「バファール」の名が決定するまで二回の会議他諸々、とにかく時間がかかりました。 まあとはいえ、決まってみればすんなり馴染むもので、立ち上げチームの中では今ではすっかり定着しております。色々な場を照らす灯台「Phare」でありたい…なんてコンセプトも勿論、造語ながら語感も結構愛着が湧いてきますね。名前負けしないように頑張ります!
そんなこんなで今回はウイスキーの名前、覚えておくと少し楽しい小話をお送りいたします。
目次
1.何語…??
2.よく出るワードあれこれ
3.レッツ暗号解読!
1.何語…??
さて、ウイスキーのネーミング。蒸留所オフィシャルのスタンダードボトルには、なんのことは無く蒸留所の名前と熟成年数ないしヴィンテージが単純につけられていることが多いですね。「グレンフィディック12年」だの「グレンロセス1988」とか。カスクフィニッシュをした特別品などになると、そのイメージ・特徴を表すようなキーワードが付記されます。「トマーティン ク・ボカン」ですとか「アードベッグ アン・オー」ですとか、色々ありますね。
しかしこの蒸留所の名前やら単語やら、一筋縄ではいきません。多くはその土地の特徴ですとかランドマークになる川や山の名が使われているのでシンプルといえばシンプルなのですが… こいつらが困ったことに普通の英語ではないのです。多くの民族・文化がぶつかり続けた結果、ゲール語や古ノルド語などの旧来言語が入り乱れて使われているために、単語としては認識できても意味がさっぱりな名前の多いこと多いこと。
とはいえそこは言語のお話。きちんと法則性があるので覚えてみると結構あれこれ連想出来て楽しい物ですよ。よく出てくる単語をご紹介いたします。
2.よく出るワードあれこれ
「グレン○○」
スコッチウイスキーの名前では一番多いのではないかしらコレ…石を投げればグレン○○に当たるといった具合。これだけ多いのにはちゃんとした意味があるのです。
さしあたりグレンの意味から。「Glen」にはゲール語で「谷」ですとか「峡谷」という意味があります。妖精だかカバだかの怪生物が住まうフィンランドのあの谷とか、ニッカウイスキーが誇る仙台市の端っこの蒸留所なんかはさしずめ、「グレンムー●ン」とか「グレンミヤギ」ってところでしょうか。
さて、このグレン○○というウイスキー。スコットランド北側、とりわけスペイサイドを含むハイランド側に沢山あります。まあ単純に蒸留所の数が多いというのもあるんでしょうがそれはそれ。古くは密造酒のメッカであったこの地方。徴税官の追求からウイスキーを隠匿・いざとなれば逃亡が容易な山岳丘陵地帯が多く、沢山あるグレン○○というネーミングはこの起伏だらけの土地柄に由来していると思われます。
「グレンフィディック」⇒「鹿の谷」・「グレンドロナック」⇒「黒苺の谷」なんて具合ですね。それはもうホイホイ鹿が出たり黒苺がバカスカとれたりしたんでしょう。
類語に「Strath」があり、こちらも「谷」を指しますが、こちらはより広域な谷に使われるという説があるようです。「ストラスアイラ」⇒「アイラ川が流れる谷」・「ストラスクライド」⇒「クライド湾に続く谷」であることを見るに、より「渓谷」の意味合いが強いのかもしれません。
「アード○○」
「Ard」には「高台の丘」ないし「岬」という意味があるようです。丘と岬じゃずいぶん地形が違うぞ。とツッコミを喰らうかもしれませんが、岬を海や湖に突き出ている広義の「高台の丘」とすれば違和感はないでしょう。そもそも日本語だって「さんか」が「酸化」だったり「傘下」だったり「惨禍」だったりするのです。母語話者ではない人からしてみればもう発狂モノらしいですねコレ。
…話がそれました。このアード○○も沢山ありますね。「アードモア」⇒「偉大(広大)な丘」・「アードベッグ」⇒「小さな岬」など。地域は違いますが正反対のネーミングの蒸留所があるのも面白いですね。ついでに「ベッグ」と「モア」の組み合わせも覚えていきましょう。
余談ですが最近マニア注目のアード○○筆頭ことアードナムルッカン(ナマッハン?)…近々国内でデカいリリースがあるとかないとか…ご期待あれ〜…
「ベン○○」
「ベンロマック」・「ベンネヴィス」…ベン○○つながりですね。
「Ben」には「山」とか「丘」の意味があるようで。冒頭の3蒸留所も前者は「草木の生い茂る山」。後者はそのまんまイギリス最高峰だったこともある銘山「ネヴィス山」なのでしょうね。「アード」も丘じゃないのか?と言われると…どうでしょう。使い分けの基準はあるのでしょうか…。
「ロッホ○○」
この辺も「Ard」・「Ben」と同じく使い分けが曖昧に思えます。
3.レッツ暗号解読!
こんな具合に、概ね地形や地名から由来することが多いウイスキー名称頻出ワード。覚えたところでだからどうしたなんて言う方もいらっしゃるかもしれませんが、この辺の知識を持っているだけでボトラーズウイスキーをより楽しく飲めるのです!
前回も触れましたが、ボトラーズ商品の場合は原酒の出処の名前を使えない、または意図的に隠してシークレットモルトとして発売!なんてこともザラにあります。
「ロッホインダール」・「キルダルトン」・「バーンサイド」など。これらはオフィシャルボトルではないのですが、ある蒸留所に所縁のある山・川・湾など土地の名前から名前を持ってきております。
さらに遠回しだと、前回ちらっと触れた「スカラバス」⇒古ノルド語で「岩の多い場所」なんてのも。何処なんでしょうねココ。私もおおよそのアタリはつくのですが何せ公式解答が「シークレット」なので…。皆さんもボトラーズ物を飲まれる時はあれこれ創造しながら飲んでみるというのは如何でしょう。ウイスキーの名前を頼りに探偵気分というのもオツな物ですよ。
↓ちなみに最後の3つの銘柄のヒントは…↓
「ロッホインダール」⇒「B」から始まるアイラモルト
「キルダルトン」⇒「A」から始まるアイラモルト
「バーンサイド」⇒「B」から始まるスペイサイドモルト
さあ探してみましょう!
・弊社ECウイスキーページ
https://www.vinetbonheur.com/?mode=cate&cbid=1970579&csid=0&sort=p
・BaPhareについて
https://www.instagram.com/p/CKYNTWvjku_/
(本文・須藤元)
飲酒は20歳になってから、飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発達に悪影響を与える恐れがあります。程よく、楽しく、いいお酒、のんだあとはリサイクル。