ついに決まった「ジャパニーズウイスキー」の基準

 

 令和3年2月12日、日本洋酒酒造組合が「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」という自主基準を全世界に向けてリリースしました。
 
・日本洋酒酒造組合ホームページ: http://www.yoshu.or.jp/index.html
・基準施行前文:http://www.yoshu.or.jp/statistics_legal/legal/pdf/independence_06.pdf
・基準本文:http://www.yoshu.or.jp/statistics_legal/legal/pdf/independence_08.pdf
 
 日本洋酒酒造組合は、大手メーカーから小規模クラフトまで国内で洋酒の酒造を手掛けるほとんどの団体が加盟しており、自主基準とはいえこの内容が実質的に今後の「ジャパニーズウイスキー」とは何か?を決めていく一つの軸となることは間違いありません。
 折しも私、我らが新店「BaPhare」オープンを控えており、企画がらみで税務署や保健所を右往左往していた矢先の発表。新店でも国内メーカーが作ったウイスキーを少なからずラインナップしているため、私にとっても印象的かつ重要な発表でした。
 そんなわけで今回はこの度発表された自主基準について、発表されるまでの背景や私が思ったことなどつらつらと書いてまいります。
 
目次
1.これまでの日本の「ウイスキー」の定義
2.乱造された「ジャパニーズウイスキー」
3.これからの「ジャパニーズウイスキー」
4.忘れてはいけない既存製品への配慮

 
1.これまでの日本の「ウイスキー」の定義

 そもそも、これまで日本国内で「ウイスキーとはなんぞや?」という問いに対するオフィシャルな(一企業・民間団体ではない公的な)回答はせいぜいが「酒税法」上の定義だけでした。しかもざっくりと「発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて発酵させたアルコール含有物を蒸留した物」とされており、詳しく説明した物も日本関税協会が告知する以下のような文言となります。
 

 
 「樽熟成」についての規定は見当たらず、アルコールの添加も全然OK!という内容。産地その他の規定は勿論ありません。「ジャパニーズウイスキーとは?」なんて以前の問題で…とはいえ、これらはあくまで酒税の定め。嗜好品たるお酒に適切に課税をする上ではなんらの問題もなかったというのもまた事実であったりします。
 
2.乱造された「ジャパニーズウイスキー」

 さてさて、この至極あいまいな「ウイスキー」の定義が後々の問題となってきてしまうのです。
 ウイスキーは一度国内消費のどん底を迎えた後、サントリーさんがハイボールブームを巻き起こすことで日本人にジワジワとウイスキーを浸透させ、皆さんご存じ大ヒットを記録したNHKの連続テレビ小説「マッサン」を皮切りにその人気が爆発することになります。
 海外でも、艱難辛苦を乗り越えて設立されたベンチャーウイスキーをはじめ、ニッカ・サントリーの製品が注目されるなど、世界的に日本のウイスキーの需要は高まっていきます。それはもう喉から手が出る程です。海外オークションなんかを覗いてみると卒倒しそうな金額が飛び交っております。
 ところが一度はどん底を迎えた国内ウイスキー人気。各社こぞって原酒の確保に力を入れ始めるのですが、一朝一夕に原酒は湧いて出てくるものではありません。「竹鶴」の年数表記品の休売・「白州12」年の再販等が一大ニュースとなることからもわかる通り、今もって国内蒸留所の原酒、特に長熟原酒はまだまだ需要に耐える量が不足しているのです。
 そんな中どこからともなく現れた「○○12年」というウイスキー。界隈では話題になった厄ネタなので多くは触れませんが、海外から輸入した原酒を瓶詰して「国産ウイスキー」として販売した物が雨後のタケノコのごとく出現しました。
 ちなみに断っておくと海外ウイスキーのブレンドは悪いものばかりではありません。昨年話題をさらったすっきりした美味しさの「セッション」だって海外原酒は入っていますし、弊社通販ページで扱っている「越百」も本坊酒造さんの国内原酒と海外原酒の巧みなブレンドによって価格以上の仕上がりになっています。新興クラフトの長浜浪漫ビールさんがブレンド技術を磨くために世に出した「アマハガン」だって殆どが海外原酒。それでも皆独自の路線と良さを確立している素晴らしい商品であると思っています。
 
3.これからの「ジャパニーズウイスキー」

 これらの「国産?」ウイスキー。海外からみればどうでしょうか。極端な話、漢字のラベルを見ただけで、「今人気のジャパニーズウイスキーがあるぞ!」と中身のことは知らずに購入する人も結構いたようです。海外市場を見ると、極端な話なんと焼酎や泡盛までウイスキーの名がついた商品が見つかったりします。勿論海外市場もだんだんと様子がおかしいことに気づき始めます。あるサイトではジャパニーズウイスキーのReal or Fakeチャートまで作られています。これでは国産ウイスキーの価値も下がってしまいます。
 また、真面目に作られた海外原酒ブレンデッドまで有象無象と一緒くたに「Fake Japanese」ウイスキーのレッテルを張られてしまうのです。これでは素晴らしいお酒と製造に関わる方々が全く浮かばれません。
 今回制定された日本洋酒酒造組合の自主基準には、所謂「Fake Japanese」への牽制の意味が含まれているように思えます。特に第6条(特定の用語と誤認される表示の禁止等)の項目には、今回の基準に満たない商品に対しては原則的に「日本」を想起させる単語の使用を禁じ(公式サイト等で輸入原酒が入っている事を明記すればその限りではないようです)、販売者・製造者に対する事実上のペナルティまで設定してあります。かなりの強制力を以て今後の「ジャパニーズウイスキー」の方向性を決める基準となるでしょう。
 
4.忘れてはいけない既存製品への配慮

 ジャパニーズウイスキーの一定の品質が担保されることはとても良いことであると思います。ただ、これまでに発売された真面目な輸入原酒ブレンデッド商品に対する配慮は必要なように思えます。基準に適合しないまでも、良い味わいのウイスキーは沢山存在しているのです。
 私も会員として所属している「ウイスキー文化研究所」では2020年に「ジャパニーズウイスキー」・「ジャパンメイドウイスキー」という独自基準を定めていました。やや聞きなれない名前ですが、国内原酒と海外原酒を国内でブレンドしたものを「ジャパンメイドウイスキー」として、新興クラフトなどが作る実験作や既存の商品の価値を保護しようとした動きではないかと私は考えています。
 今回の基準の施行日は本年4月1日。この日を境にジャパニーズウイスキーとそうでないウイスキーとが明確に線引きされます。ウイスキーを売る立場の人間であると共に一介のウイスキーバカである私としては、ジャパニーズウイスキーは勿論そうでない国内でつくられたウイスキーも、美味しい・素晴らしいものを見つけてきて皆様に紹介していきたいと思っています。 
 
 さて、真面目な話ばかりしていたら美味いウイスキーが飲みたくなってきました… 新店(BaPhare)オープンまであと1週間… オープンがゴールではありませんが、無事に皆様に新店をお披露目して家に帰ったら、秘蔵の一本を開けてやろうと心に決めているワタシなのでした。
 

(本文・須藤元)

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