2023.12.15
こんにちは、担当ソムリエの我妻です!
「家のワインのストックが増えてきたけど、適切な保管の仕方がわからない」
そんな方に向けて、自宅で簡単に出来る温度管理のコツについて記事にしました!
☑この記事で解決できる悩み
・温度による味わいの変化
・最適な温度
・温度調整のやり方
本記事で紹介する「温度管理のやり方」を実践すれば、初心者でも今までよりもっと美味しく自宅でワインを味わえます!
なぜなら、実際に私もこの方法で自分好みの温度を理解して、自宅で楽しんでいるからです。
記事を5つに分けて解説するので、じっくり読み込んでくださいね!
温度によりどのように味わいが変化するのか?
ワインの温度が高かったり低かったりすると、どのように味わいが変化するのでしょうか?
【ワインの温度が高いと……】
・香りの広がりが大きくなる。
・甘味が強くなり、酸味は柔らかくなる。
・苦味や渋みは抑えられ、口当たりが優しくなる。
【ワインの温度が低いと……】
・フレッシュ感が際立つ。
・味わいはよりドライに、酸味はシャープな印象になる。
・よりスマートになり、苦味や渋みは強く感じられるようになる。
「ビールはキリっと冷やして」
「焼酎のお湯割りは熱々で」
「夏の麦茶はキンキンに冷やして」
「ショートカクテルは冷たい内に3口で」
等々、飲料にはそれぞれ美味しく飲むための適温があります。
ワインについても同様で、赤や白などのタイプにより、より適した温度があります。
そちらについては、次の項目でひとつひとつ説明していきます。
タイプごとの最適温度とは?
ワインの適温はタイプによって異なります。
赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの4つのタイプ別に、適温を紹介していきます。
・赤ワイン「若いものは低く、熟成感のあるものは少し高めで」
赤ワインは渋みや苦味の素となるタンニンを多く含んでいます。低めの温度で飲むと渋みが強調され苦味を感じてしまうため、少し高めの温度にすると渋みを抑えることができます。
若いワインや軽い味わいの赤ワインは少し低めの12~14度、フルボディの赤ワインや熟成感のある赤ワインは、少し高めの16~18度にすると、よりソフトなタンニンと複雑な香りや味わいを楽しむことができます。
・白ワイン「しっかり冷やしてフレッシュさを味わう」
白ワインの醍醐味はなんといってもフレッシュな果実味です。そのフレッシュな果実味は温度を下げることで際立ちますから、赤ワインよりも低い温度が適していると言えます。
また、白ワインの酸味は冷やすことでよりシャープな印象となり、果実味とのバランスがとれ、食事とも合わせやすくなります。
若くフレッシュな味わいの白ワインなら6~10度、ブルゴーニュの特級ワイン等ふくよかなボディの白ワインは10~14度くらいがおすすめです。
・ロゼワイン「色合いによって違う温度で」
ロゼワインの適温は爽やかな白ワインとほぼ同じです。
ロゼワインの多くは熟成させず、早飲みタイプに仕上げられているため、フレッシュ感が特徴でもあります。そのため、ロゼワインは冷やして飲む方が美味しく感じられるのです。
ちなみにロゼワインは色合いによって適温を調整すると良いでしょう。薄いピンク色なら低めの8~10度で、濃いピンク色なら少し高め10~12度に調節すると良いです。
・スパークリングワイン「ビール同様よく冷やすのがお決まり」
発泡性のワインはビール同様、よく冷やすのがお決まりです。よく冷やすことで、キレのある味わいになります。
また、辛口のスパークリングワインは酸味が味わいのバランスの鍵となっているため、よく冷やせば酸味はシャープになり爽快感やフレッシュ感が増します。8度前後が適温です。
甘口のスパークリングワインは、辛口のものよりさらに低い6度前後が適しています。甘いワインは口当たりが良く、飲んでいる時はアルコールを感じにくいため、温度が高いと甘いブドウジュースのような印象になってしまいます。
その逆に熟成したシャンパーニュはやや高い温度が良いでしょう。ものによっては14度~16度が心地よいものもあります。
よく冷やして酸味を引き出し、甘味とともにしっかりと酸味も感じることができればベストの状態と言えるでしょう。
このように、タイプ別に温度帯は異なります。ただし、あくまで一般論ですので、いろいろな温度で味わいを試してみて、ぜひ自分好みの温度帯を見つけてみてください。
簡単に温度調整をするには?
ひと手間をかけることにより、簡単に自宅で温度調整ができます。
【ワインの温度を下げるには……】
・冷蔵庫に入れる「冷凍庫は絶対NG!」
単純明快、一番の基本は冷蔵庫に入れることです。常温のワインをしっかり冷やしたい時は、だいたい飲む2時間くらい前に冷蔵庫に冷やしておくと良いです。あくまで目安ですが、15分ごとに1度ずつ下がるイメージです。
冷凍庫は絶対にNGです。ワインの成分が壊れてしまうため、味が変わってしまいます。
・氷水を使う「冷蔵庫より急速に冷やしたい」
氷水を入れたワインクーラー(無ければキッチンにある深めのボウルでも可)にワインボトルを入れ、ボトルの液面までしっかりと氷水につかるように入れておくと、素早くワインを冷やすことができます。
目安として、1分間に約1度温度が下がります。冷蔵庫より早く冷やすことができますので、急な来客対応や冷蔵庫に入れ忘れた場合などの手段として活用してください。
・ワインに氷を入れる!?「味わいが薄くなる」
さらに簡単に冷やす方法としては、ワインに氷を入れることが考えられます。当然ですが、溶けた氷でワインの味わいが薄くなってしまい、本来の果実味や酸味が楽しめなくなってしまいますので、おすすめはしません。
【ワインの温度の上げるには……】
・冷えすぎたワインの温度を上げたい場合は、常温の室温(例えば23度~26度の部屋)に置き続けて戻すしかありません。
ワインは冷やすのは比較的簡単ですが、温めるのは意外と時間と手間がかかります。ワインは急激な温度変化に弱いため、湯煎などもNGです。ワインの温度より高い室温の部屋に置き、じわじわ温まってくるのをひたすら待ちましょう。
ワインの温度の上げ方、下げ方を見てきましたが、読んでいただいたとおり、特に特殊な道具などは必要ないので、簡単に実践できますね。ただし、温度の上げ下げには時間がかかる場合がありますので、飲みたい時間とそのときのワインの温度、最終的に変更したい温度を考え、計画的に行う必要があります。
ワインの温度を知るには?
ワインの適温や温度の上げ方、下げ方を見ていきましたが、ではワインの温度はどうやって測ればいいのでしょうか?
温度を測るものなので当然温度計を使いますが、中にはワイン専用の温度計というものも存在します。ワインサーモメーターと呼ばれる商品もあります。
「ワイン 温度計」などと検索しますと様々な商品が出てきますので、ぜひ調べてみてください。
機会があれば、改めて別の記事で紹介したいと思います。
まとめ
「ワインは難しい!」と言われる理由の1つが「温度」ですが、コツさえ掴めばなんということはありません。すごく簡単です。
・温度によって味わいは変化する
・タイプごとに異なったベストな温度がある
・温度調整を簡単に行う方法がある
一番大事なことは、自分の好みを知ると言うことです。星の数ほどのワインがあると同時に、人の好みも千差万別です。自宅で楽しむものですので、それぞれご自身の好みの温度を見つけてみてください。ワインが今の何倍も楽しくなるはずです。
今回の記事をその指針として頂ければ幸いです。
<ご自宅でこの温度だ!と感じたら是非こちらのアイスレスクーラーをご利用ください>
氷水や冷蔵庫で冷やしてみて、自分なりに「あつ、この温度が良い!」と思ったら、このクーラーに入れておけばその温度をキープしてくれます。プロのソムリエも使う道具です。
自宅に1台あれば自宅でのワインライフがまた一つ変わる!?