2023.12.15
自然派ワイン=ヴァン・ナチュールとはフランス語であり、栽培と醸造の両方で自然な造りを目指したワインの事を言います。自然派ワインは赤ワインや白ワイン、スパークリングワインにも存在します。
じゃあ、今まで飲んでいたワインは自然派ワインではないの?ワインってぶとうが原料なので自然な飲み物ではないの?と思われたかもしれません。
正確に定義のような明確なものはありませんが生産者の共通認識をいくつか挙げると、収穫時に手摘みからビン詰めを行う事や、収穫時にブドウに付着している野生酵母を使う事、酸化防止剤を極力使用しない、醸造過程において人的な操作はなるべく行わず自然の力に任せぶどう本来の味わいを引き出すというものがあります。
生産者がヴァン・ナチュールのワインという農業の努力の賜物である贅沢な嗜好品を通じて、自分達の世界観や土壌、風土の表現、そして自由にメッセージを発信できる新しいツールかもしれませんね。
世界中のワインラヴァーを着実に魅了し、今後の進化が楽しみなカテゴリになる事は間違いないと思います。
酸化防止剤が少ないワインは何が違うの?
スーパーやワインショップに売っているワインには必ずと言っていいほど『酸化防止剤(亜硫酸塩)』が入っています。これが入っているから良い悪いとは言い切れません。
よく安いワインには酸化防止剤がたくさん入っているから二日酔いがひどいとか聞きますがそれが100%の原因とは言い切れません。
食品のかんぴょうやドライフルーツにも酸化防止剤が使用されています。
厚生省によって食品別に酸化防止剤(亜硫酸塩)の最大含有量の上限が決まっています。
・かんぴょう・・・・5000mg/kg
・ドライフルーツ・・・・2000mg/kg
・ワイン・・・・350mg/L
こちらを食べすぎて二日酔いのような体調不良にはあまりならないと思います。決して酸化防止剤が悪いとは言うことではありません。
ワインに酸化防止剤を入れる主な理由は、醸造過程においてワインをバクテリアの感染から守り細菌繁殖防止(殺菌効果)をおこなうことや、色合いと味わいのクオリティを安定させるためです。
また発酵防止、見た目を美しく保つためなど様々な理由で使用されています。
酸化防止剤が少ない量でワインを作ることはとっても難しく、そのワインは貴重なんですよ!酸化防止剤の少ないワインは瓶詰めをした後にも酵母は生きていて、温度が高いところや振動が多いところに置くと二次醗酵が始まり、ワインが噴いてしまうことがあります。その結果、最高の状態を発揮できず味わいにも影響が出ます。
例えばスポーツ選手がエアコンの利かない車に長時間揺られながら移動した後に、休息なく最高記録を更新することは困難だと想像できます。ワインも人間と一緒で生きておりますので、まさに造り手の技術の見せ所でもあります。
ただ、酸化防止剤を使用していないワインも少なからず存在しますが、醸造中に亜硫酸塩がごくわずかに自然発生することがあります。そのため日本の食品衛生法ではその可能性があるため「酸化防止剤含有」の表記が義務づけられています。全く完全な無添加というのは難しく、ヴァン・ナチュールは他のワインと比較して亜硫酸塩の含有量が少ないととらえることが正しい認識であるかもしれません。
ヴァン・ナチュールを扱うショップは商品の特性を理解しております。是非、店員さんに聞いてみてくださいね!
ヴァン・ナチュールの楽しみ方
普段飲んでいるワインと比べると見た目が少し濁っていますが、全てのヴァン・ナチュールがそうではありません。フィルターをかけないので濁るのです。
それが旨味の元になります。これをフィルターにかけては味わいが半減するのでしない造り手も多数います。ワインがダメになっている!とは思わないでくださいね。
また、美味しいワインは難しく飲むのではなく純粋に『ワインって美味しい!楽しい~!!』と感じながら飲む事が一番です。小難しい表現はいりません。高価なワイングラスも必要ありません。飲みながらわいわい楽しく飲むことが定義といえるかもしれません。
難しく飲んではワインと時間がもったいない!
ワインを選ぶ際にPOPの説明文を読んでも意味が難しく、何を選んだら良いかわからないこともあると思います。でもヴァン・ナチュールは味わいだけではなく自由に表現されているラベルも面白い注目ポイントです!自分の好みのラベルで選ぶのもいいかもしれません。個人的な感想ではありますがジャケ買いは味わいも好みであることが多いですよ♪
おススメ ヴァン・ナチュール
「生産者:フレデリック・コサール」父の元で修業をしながら将来は独り立ちを目標にしていた彼は醸造学校に通いながらクルティエの事業を行い顧客からの信頼を得ていきます。この時代に『ブルゴーニュワインは飲みつくした!』という彼は自分の理想のワインを造るために夢を現実にさせてのが1996年。自身でドメーヌ・ド・シャソルネイを立ち上げます。
彼の考えである Vin Vivant (活きているワイン)を表現するために、日々弛まぬ研鑽を積んでいます。努力家の彼が造るワインは生産本数も少なく、新たなブルゴーニュワインの表現により世界中のワインファンを熱狂的させている一人です。
オンラインサイトに掲載されている商品はこちらから
フレデリック・コサール/ヴェルシオン・スッド20 750ml
ミュール、プルーンなどの黒い果実にデイツなどのドライフルーツの香りが重なる。ワインはスマートかつクリスピーでコクのあるまろやかな果実の凝縮味に清涼感があり、洗練されたミネ ラル、キメの細かいタンニンの収斂味が骨格を形成する!
ダークチェリー、イチゴジャムなどの熟した果実の香りにハチミツの甘い香りが重なる。ワインは上品かつ艶やかで赤い果実のみずみずしさにイチゴの甘みにも似たジューシーな旨味があり、繊細な酸とキメの細かいタンニンの収斂味が余韻を優しく引き締める!