ルカ・ベヴィラクーア
地元の葡萄の個性を生かした【自然なテーブルワイン】を目指す


アブルッツオ州のポピーの花
彼の畑は標高1800mのマイエッラ山の麓、海抜150~300mの豊かな自然の中にあります。夏の暑い季節には約15km先にあるアドリア海からの空気を多く含んだ海風が葡萄畑に優しく注ぎ込み、夜には山からの乾燥した涼しい風が、蓄積した湿気を取り除いてくれます。また近くを流れるサングロ川が、多くの生物の生態系を守り、葡萄やその他の植物達の生命と成長を見守っています。葡萄畑の周りには、オリーヴや桃、小麦なども栽培しており、この混合栽培をする事で植物動詞の生命力を高め合い、総合的な自然環境を強くしていく事を大切にしています。土壌は粘土や小石、細かい石灰岩が主体で、畑によって生まれ持つ個性の違う葡萄をどのように自然な流れでワインへと成長させるのかが、彼のワイン造りの肝と言えます。農薬や化学肥料は一切使用せず、一本一本の樹に目を配り、まるで自分の子供の様に大切に育てていく事を信念としています。
醸造ではお爺ちゃんから伝わる自家消費用ワインの作り方を基に、自分がこれまで携わり経験してきた事をプラスし、地元の葡萄の個性を生かした、【自然なテーブルワイン】を目指しています。自然酵母のみでゆっくりと発酵を開始。発酵・熟成にはステンレスタンクやグラスファイバータンクを使用します。発酵開始時のアプローチ、皮と果汁の接触はそれぞれの葡萄によって異なり、味わいのバランスを一番引き出せるであろう方法を取っています。冬の間熟成したワインは翌年春にボトリングされ、リリースまでの全ての工程で濾過・亜硫酸の添加は一切行いません。

アブルッツオ州のグランサッソ
彼のワインは、非常に優しくニュートラル、そして心地よく、野菜・果物の苦さや酸、それぞれの葡萄の持つ味わいをダイレクトに感じさせてくれます。アブルッツォという土地で、このような優しいワインを作る事が、どれほど厳しく困難な事か容易に想像できます。彼の家が守ってきた土地の力と、家族の様に守られてきた葡萄樹達が、答えてくれた結果であると私は感じてますし、ここまでのワインを生み出す為に、相当な努力と苦労を重ねてきたんだろうなと感じます。まだルカには会った事もありませんが、ワインが全てを語ってくれている、と感じるとともに、どこか職人的アプローチを感じる彼のワインの味わいの大ファンになっている事が、今回彼のワインを輸入する事になった理由なのでしょう。一生かけて追いかけていきたいと思える生産者に出会えた事を本当に幸せに感じています。
ルカは今後更に3つのワインをご案内予定です。そちらも是非お愉しみにお待ちください。ではとても少ない本数のワインで大変恐縮ですが、これからルカのワインを末永くよろしくお願いいたします!
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