ドメーヌ・フォン・シプレ
師匠フレッドの助言とレティシアの感性が生んだラングドックのシンデレラワイン!


ナチュールは清潔なカーヴありき!
ドメーヌの当主であるレティシアは、高校を卒業後 1985 年パリで美術商を目指し学んでいたが、一生の仕事ではないと判断した彼女は、美術商の道を諦め、1988 年南の両親の下に戻り、彼らと共にカルカソンヌ郊外でシャンブル・ドット(民宿)を始める。当時、彼女の両親は祖父から引き継いだ畑 5 ha を有しており、高校の教師をしていた父親がワインづくりを兼業していた。1998 年、エスカル村にカーヴ付で 7 ha のブドウ畑がまとまって売りに出ていたのを知った父親は、畑を買い替えることを決める。この時ワインづくりに興味を持ち始めた彼女は、同年カルカソンヌのワイン学校に通い始める。翌年の 1999 年にはドメーヌの丘の上の森を 6 ha 開墾しブドウを新たに植え、着々とドメーヌ立上げの準備を整える。それから 5 年後の 2004 年、父親が教師の定年を迎えたのを機にシャトー・フォン・シプレを立ち上げ、彼女がオーナーとなる。2005 年、彼女の夫であるシャソルネイ・デュ・スッドの共同管理者ロドルフ・ジャネジニを通じてフレデリック・コサールに初めて出会う。2010 年、ドメーヌ経営とワイン造りに行き詰っていたレティシアだったが、フレッドのアドバイスを取り入れワイン造りを一新し、ワイナリー名もシャトーからドメーヌに変え新たな再スタートを切る。

フォン・シプレのワイン名の由来となった水源
オーナーのレティシアは、父親と夫であるシャソルネイ・デュ・スッドの共同管理者ロドルフと 3 人で現在18 ha の畑を管理している。(繁忙期は季節労働者数名を雇う)ブドウ品種は、白ワイン用のブドウであるグルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ、ルーサンヌ、そして赤ワイン用のブドウのシラー、グルナッシュ、カリニャン、サンソーがある。ワイン総生産量は 630 hL 前後だが、その内の約半分はまだワイン農協に桶売りをしている。元々ドメーヌを立ち上げた時から BIO に興味があり畑も有機だったが、2005 年にフレデリック・コサールと出会って以来、ヴァンナチュール、特に酵母無添加、SO2ゼロのワイン醸造に興味を持つ。2010 年、フレッドのアドバイスによりドメーヌは見事な改革を遂げ、ワインのスタイルもカジュアルなものからより繊
細でかつ重厚で高級感のあるものに変化させた。彼女の現在のモットーは「完熟したブドウでエレガントなワインをつくる!」こと。シンプルだが、南では殊更両立の難しい永遠のテーマを自らに課す。四六時中ワインのことばかり考えている、根っからのヴィニョロンだ。

フォンシプレの若木の畑
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