ドメーヌ・オヤマダ
ブドウのポテンシャルを追求し、いたずらにワインを汚さないこと


福島県郡山市出身の小山田幸紀氏は、中央大学文学部ドイツ文学科を卒業後、在学中に出会った麻井宇介氏の影響でワイン造りの世界へ進むことを決意しました。現在は約3haの畑を管理し、2014年に初めて「ドメーヌ・オヤマダ」として仕込みを行いました。 ルミエール勤務時代から自らの畑を管理し、収穫したブドウをルミエールや四恩醸造に販売していました。その労力は想像を絶し、休暇は正月三が日のみという、ひたすら根っからの人間です。 文学に造詣が深い小山田氏は、尾崎豊や村上春樹、太宰治など、明治から昭和の日本文学に影響を受けています。 趣味は飲酒であり、今後は芸術の振興をモットーとしています。 「のポテンシャルを最大限に引き出し、余計な手を加えないこと」がワイン造りの本質だと言うその姿勢は、多くの人を惹きつけます。さらりとした語り口ながら、事実に裏付けられた言葉には確かな勇気があります。 小山田氏にはワイン、ブドウと土壌の個性が素晴らしく反映されています。 自然への深いこだわりと日本文学からの影響が、彼のワイン哲学を支えています。 ドメーヌ・オヤマダのワインは、一杯ごとに物語を感じさせる特別な体験です。

「農薬を使えば大丈夫安定して良いブドウができるわけではない」と感じていた中、2002年にクロード・クルトワの「ラシーヌ1999」を飲んだことをきっかけに、ビオディナミ農法への関心を持ってました反対意見が多い中、2004年にビオディナミを開始。 幸いにも2004年と2005年はヴィンテージが良く、スムーズに収穫できました。困難を乗り越えました。 これらの経験から、「農薬の存在」ではなく、「日々の畑の観察とタイミングの良い管理作業」が良質なブドウ作りの鍵であると実感。 10年に9回の良い収穫を目指しています。ちなみに、10年に1回はやむ また、ヨーロッパの乾燥地帯と違う、日本の湿潤な気候では、ビオディナミの調合剤の効果が草に驚かされる場合がありました。そのため、「雑草との共生」を考える中で、福岡正信さんら自然農法思想に共感。 雑草と共生し、植生を多様化することで害虫も減少し、自然のバランスを相談した畑作りを進めています。不耕起で草を生やし、それが倒れることで土がフカフカになり、有機物が適度に補われます。 、ワイン用ブドウの栽培には多量の肥料が不要であると感じています。 ビオディナミと自然農法の融合が、個性豊かなワインの味わいをサポート。

ペイザナ農事組合法人が手掛けるドメーヌ・オヤマダのワインは、山梨県勝沼町の中原ワイナリーで醸造されています。ペイザナは2011年に設立され、山梨市、甲州市、笛吹市、甲府市、北杜市を中心に活動しています。農業人口の減少や若者の農業離れが進む中、地域の農地を活用し、農業従事者の雇用や育成を目指しています。
また、自社の高品質な葡萄を使い、付加価値の高いワインを生み出すために、2014年には共同醸造所として中原ワイナリーを設立しました。
ペイザナでは、棚栽培を中心に甲州種やデラウエア、マスカット・ベーリーAなどの品質向上に努める一方、山梨の土壌に適した希少品種の導入も進めています。具体的には、白系のプチマンサンやアルバリーニョ、シュナンブラン、赤系のムールヴェードルやタナ、シラーなどを栽培。これらの品種は日本ではあまり知られていませんが、それぞれの畑に最適な品種を選ぶ「適地適作」を実践しています。この取り組みにより、ワインのテロワール(風味の表現)を確立し、日本独自のワイン文化を育てています。
ドメーヌ・オヤマダのワインは、自社農園で収穫した葡萄を使用し、自然酵母で発酵させています。発酵助剤や酵素などの添加物は一切使わず、可能な限り自然な方法で醸造。亜硫酸の使用も最小限に抑え、天候が厳しい年を除き、糖分を添加してアルコール度数を調整することはありません。スパークリングワインでも酵母の追加はせず、純粋な自然の味わいを大切にしています。
ペイザナのワインは、単なる飲み物ではなく、地域の未来を担う重要なプロジェクトです。ワインを通じて、地元農業の活性化と、持続可能な農業のモデルを築いています。これからも新しい品種の導入や醸造方法の革新に挑戦し、日本ワインの新たなスタンダードを目指していきます。
ドメーヌ・オヤマダのワインは、ペイザナ農事組合法人 中原ワイナリーにて醸造される。ペイザナ農事組合法人(以下ペイザナ)は、山梨市,甲州市,笛吹市,甲府市,北杜市を拠点に活動。農業人口の減少、若者の農業離れが進む中、「日本の農業の将来を見据え、農地を継承・活用し、農業従事者の雇用・育成を目的として」小山田氏と四恩醸造の小林氏が理事となり 2011 年に設立された。
更に、自社の高品質葡萄を原料に、より付加価値の高いワインの生産をペイザナとして実現するため、勝沼町中原に共同醸造所(中原ワイナリー)が 2014 年に設立された。
葡萄とテロワール
自らの探求する農法により、棚栽培で既存の甲州種やデラウエア、マスカット・ベーリーA の品質と付加価値向上に努めるとともに山梨の土壌に合い、病気に強く、かつ収量が比較的多い希少品種も導入予定。具体的には棚栽培において、白系のプチマンサン、アルバリーニョ、垣根栽培において白系のシュナンブラン、ロモランタン、赤系のムールヴェードル、タナ、シラー等。希少品種は知名度が低く、商品価値が低いとされることもあるが、ワインの商品名はすべてブドウ生産の畑名とし、各々の畑に適した品種を植栽していく適地適作の概念を実行していく。その上で、日本ではまだ確立されていないワインのテロワール表現を訴求していく。
醸造
自家農園葡萄を原料にし、培養酵母や酵素、発酵助剤等の使用を一切行わず、葡萄に付着した自然酵母により発酵を行う。また、製品の品質保全のために不可欠とされる亜硫酸は必要最低限の使用とし、極めて天候が不良な年を除きアルコール分上昇を意図した糖分の添加を行わない。スパークリングワインにおいても、酵母の添加は行っていない。
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